やさいや

 新得Aコープの店舗を入ってすぐ、左側に小さなスペースがあって、そこには地元農家さんが生産した野菜が販売されています。そこに置かれている野菜が気にいって来店の際には必ずそのスペースを覗いています。

 しかしその店舗が今年10月に閉店することになりました。(11月現在、すでに閉店)そしてそれは同時にお気に入りだった地元野菜スペースがなくなる事でした。

  生産した野菜を購入して下さるお客様(消費者)との繋がりを大切にしている農家のYさんは、店舗閉店の話を聞いて、新得町内での販売店舗探しに悩んでいました。そんな折、運良く『わかふじ』さんのご厚意により『わかふじパン屋』さんの駐車場にある物置倉庫を貸して頂ける運びになり、そこで他農家さんとともに野菜販売を続けることが出来るようになりました。

オープンした『農家のやさいや』
オープンした
『農家のやさいや』

 話がまとまった時はすでに季節はかなり進んでいて急ごしらえのオープンでしたが、週3日間の販売日は、いつも沢山の方々が訪れて順調なシーズンの模様でした。

 町内では多くの方々が家庭菜園をされています。しかし町内の畑作農家さんの生産品目は、大規模農地を大型農業機械で効率よく稼働できるような作物を生産しているのが実情ですので、Yさん達のような多品目作物を生産する農家さんは意外に少ないようです。(もちろん、農家さんの多くも家庭用の農作物を育てています。)

 相乗効果?もあってか野菜の販売日には、パン屋さんの販売も好調だったと聞いています。そして、Yさん達は、多くのお客様が訪れてくれるとても良い場所を提供して頂いたと喜んでいました。この調子で 来年以降も たくさんのお客さんを呼び込んでくれることでしょう。

今シーズンの販売を終了した『農家のやさい直売所』
今シーズンの販売を終了した
『農家のやさい直売所』

 生産者が消費者と直接つながりあえる販売方法は、人口六千人に満たない新得町において一つのヒントを与えてくれています。それは野菜販売だけに限ったことではないでしょう。

  10月、新得駅周辺にあった大きなスーパーの一つAコープ道東が閉店しました。そして過去から現在に至り、娯楽施設をはじめ多くの商店が閉店していきました。町ではもう何十年も前から人口減少さらには高齢化が言われてきました。結果、現在の状況をみるとさらに人口減少は加速度的に進み、町はますます厳しい状況に進むことでしょう。それでもここに住む者はその現実を受け入れ、それに対応していくしかありません。

 今回できた直売所は、経済的に考えるとたいしたことでないかもしれません。しかし、移住者だったY夫婦は多くの町民を幸せな気持ちにしました。幸せの基準は人それぞれですが、町のあちらこちらで小さくてもきらり光る花火をあげる方々が出てくるように、もっと人を育てる町であってほしいと願わずにはいられません。若者のアイディアを鼻で笑わず、多くの人生経験者年配者がサポートし手助けできる町であればと願っています。

もちろん町行政も例外ではありません。